星空観察会

2017.1.8
星空観察会

天体写真の楽しみ星雲編@国民宿舎小豆島星空案内人

オリオン座馬頭星雲年末年始は今の季節には珍しく無風快晴だったので、超久しぶりにメジャーな星雲(写真上から馬頭星雲、かに星雲、ふくろう星雲、ウルトラマンのふるさとM78星雲)を撮影してみました。こんな時に限って機器の調子が悪く、やっと直ったと思ったらカメラのバッテリー切れというオチでしたが(笑)、それはともかく今回は星雲の撮影方法について書きたいと思います。

まずは撮影機材です。鏡筒はこのブログの「星空観察会の天体望遠鏡」の回でも紹介しました20cmF8のリッチークレチアン式反射望遠鏡にレデューサーM1かに星雲という焦点距離を0.75倍に縮めるレンズをつけたもの、カメラは赤い星雲がよく写るようにフィルターを改造したデジタル一眼レフで、これにオートガイダーという星を丸く写すための機器を組み合わせています。カメラレンズでいうと焦点距離1200mm、F6の超望遠レンズということになります。

ピントを合わせ、構図を決めたら後はひたすら撮影です。今回は一回の露出時間を6分、ISO感度を1600として、それぞれ3~10枚ずつ撮影しました。何枚も撮影するのは、後でコンポジット(重ね合わせ)という処理を行ってノイズを減らすためです。画像を何枚も重ねて加算平均することで、ランダムノイズが枚数のルート分の1に減りますが、実際にやってみるとその効果に驚くこと請け合いです。ちなみに3枚という中途半端な枚数があるのはバッテおおぐま座ふくろう星雲M97リー切れのためです(笑)。

撮影が終わったらダークフレームといって、カメラにキャップをして露出時間分シャッターを開けて3枚くらい撮ります。これを合成して、後で元画像から引き算すると、これもノイズが激減します。今の時期はそれほどでもありませんが、夏場にこれをするとしないとでは雲泥の差になります。あとはフラットフレームといって、撮影したピント位置のまま薄明などに向けて撮影した画像を、今度は元画像から割り算をします。これは周辺減光の軽減やセンサーのゴミを消す効果があります。足し算に引き算に割り算と、天体写真に算数は欠かせません(笑)。

帰ってから元画像を見ると、赤いわ真っ白だわでとウルトラマンのふるさとM78星雲ても見られたものではありませんが、ここから専用ソフトを使って、先に述べた処理をはじめいろいろ処理を行って見られる画像にしていきます。できた画像は元画像と全然違うので、これじゃCGではないのかという声もありますが(笑)、元画像が悪いと、どんなにがんばってもちゃんとした画像にならないのがまたおもしろいところです。こうして完成した画像は、国民宿舎ホームページの星空観察会フォトギャラリーに掲載していますので、ぜひご覧ください。

なお、国民宿舎小豆島の星空観察会は、興味のある方ならどなたでも参加いただけます。開催時間は直前になりますが国民宿舎小豆島のツイッターやフェイスブックでお知らせしていますので、確認の上、国民宿舎小豆島本館屋上まで直接お越しください。

(写真は上からIC434、M1、M97、M78)

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