星空観察会

2016.8.13
星空観察会

天体写真の楽しみ土星と月編@国民宿舎小豆島星空案内人

土星1国民宿舎小豆島の星空観察会では、月が出ている時はスマホ限定で月の写真を撮るサービスを行っていますが、今の季節は土星も見えるので、「土星の写真は撮れませんか?」とよく聞かれます。土星を撮りたいという気持ちは非常によくわかりますが、結論から言うと残念ながら答えは「撮れません」。なぜかというと土星は小さすぎる上に暗すぎ、見てもらっているような大きさにすると露出時間が何秒もかかってしまうからです。

スマホホルダーというアダプターで固定して時間をかければ環があることがなんとかわかる程度には撮れますが、多数のお客さんが参加する今の季節には無理です。そこで今回は、土星の撮り方やその結果の写真の変遷について取り上げます。

初めて土星を撮ったのは土星2今から三年ほど前です。今も星空観察会で主力機として使っている18cmのマクストフカセグレン望遠鏡に焦点距離を5倍に伸ばすレンズをつけて、デジタル一眼レフカメラで撮りました。右の写真の一番上がその時の写真で、粒子も非常に粗いしまあ環が撮れたという程度ですね。

この後いろいろと工夫して、一番シーイングが良かった時に、すでに主流になっていたWEBカムとレジスタックスという画像処理ソフトを使った写真に対抗して、手動レジスタックスだ!と百枚くらい手動でコンポジット(重ね合わせ)して、できるだけ滑らかにしたものが2枚目の写真です。

当時は非常によく撮れたと満足していたのですが、さすがに最近のネットに出ている作例と比べる土星3と格段に見劣りするので、この春の火星中接近に合わせて惑星用カメラを導入し、レジスタックス処理したものが3枚目の写真です。あまり画像処理し過ぎるとCGっぽくなってしまうので、途中でぼかし処理を入れるなど、できるだけ自然な感じにすることに努めました。自己流でたいした写真ではありませんが、環の隙間であるカッシニ空隙の明瞭さなど、上の写真に比べると、段違いに解像度が高いのがおわかりいただけると思います。同じようにして撮った火星と木星の写真も、星空観察会ページの一番下にあるフォトギャラリーに掲載していますのでぜひご覧ください。なお、一番下はスマホで時間をかけて撮った土星です。これでもかなりトリミングしており、元画像の土星はうんと小さいです。土星スマホ

最後にスマホによる月撮影についてです。まずなぜスマホ限定かですが、レンズが出っ張ったタイプはお互いのレンズを傷つける恐れがあること、振動なしにシャッターを押すのが困難なことなどからスマホ限定にしました。

機種との相性については、iPhoneの方がAndroidよりもいいようです。特に細い月では、Androidではほとんどの場合露出オーバーとなってしまいます。原因はよくわかりませんが、iPhoneの場合画素数が少ないので暗所に強いのかなと思っています。

泊まらないと見られない、持って帰れないものが小豆島にはあります。国民宿舎小豆島へぜひお越しください。

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