星空観察会

2017.1.17
星空観察会

思い出の天体ショー@国民宿舎小豆島星空案内人

ヘルクレス座大球状星団M13長年生きていると(笑)、めったにない天体ショーに出会えることがあります。また、客観的には大したことがなくても、個人的に思い入れのある思い出もあったりします。今回はそんな出来事について触れたいと思います。

まずはベスト1ですが、これは何といっても百武彗星です。記録を見ると1996年3月ですから、もう20年以上前のことで、天文から完全に離れていた時期でした。彗星が地球へ近づいていることは何となく知っていましたが、最接近前後は天候が悪く、そのままスルーの感じだったある夜のこと。午前2時ごろにふと目が覚めて、もしやと思い外へ出てみたところ、北天に全天の半分にも達しようかという大彗星が!!しばしこぎつね座亜鈴状星雲M27呆然と眺めたことを思い出します。百武彗星は地球に非常に接近したため、猛スピードで天空を駆け抜けていき、悪天候もあってほぼ一夜限りのチャンスでした。Wikiによると頭の部分の大きさが満月の約4倍、尾が80度もの長さに見えたとのことで、世紀の大彗星でした。

ベスト2は2001年のしし座流星群です。これはマスコミに大きく取り上げられましたので、一定以上の年齢なら(笑)、ご覧になった方も多いと思います。小豆島でも寒霞渓という山の頂上に大勢集まり、流れ星が流れるたびに歓声が上がっていました。しし座流星群は過去何度も大出現を見せていて、案内人が小学生の頃に愛読していた百科事典の宇宙の巻にも、1833年のアメリカでの大出現の絵が掲載されていたのを思い出しまさそり座球状星団M4す。なんでも一番多い時は1時間に15万個も出現し、よくSF映画などに出て来るワープ航法のシーンみたいに見えたとか。地球が太陽の周りを秒速30キロで回っているのが実感できるほどの光景だったようで、いつかぜひ見てみたいものです。

次にがっかりベスト1ですが、これは1972年のジャコビニ流星群でしょう。当時のマスコミ報道の過熱ぶりはすさまじく、松任谷由実が「ジャコビニ彗星の日」という曲を作ったほどです。歌詞には年月日まで入っているので、聴けばジャコビニ流星群がいつだったかもバッチリ覚えられます(笑)。しみじみとしたいい曲ですので、ぜひ聴いてほしいて座球状星団M22いと思いますが、それはともかく当日の小豆島は完全に曇りで、もしやどこかで見えはしないかと夜中にウロウロした記憶があります。結局後で世紀の空振りだったことを知り、妙に安心したものでした(笑)。

最後に個人的思い出ですが、中学生の時に25cm屈折でM78を見せてもらった時、本当に見たかったのは球状星団のツブツブでした。当日は球状星団のある方向は風が強くて見せてもらえず、初めて球状星団のツブツブを見たのは、就職してから買った中古の15cm反射望遠鏡でのことでした。ヘルクレス座M13でしたが、一緒に見たM27亜鈴状星雲の妙に立体感のある見え方と併せ、今も記憶に鮮やかです。今の望遠鏡の方がよく見えているはずですが、あの時ほどの感動がないのは思い出補正のせいでしょうか、それとも目の老化のせいでしょうか(笑)。

なお、国民宿舎小豆島の星空観察会は、興味のある方ならどなたでも参加いただけます。開催時間は直前になりますが国民宿舎小豆島のツイッターやフェイスブックでお知らせしていますので、確認の上、国民宿舎小豆島本館屋上まで直接お越しください。

(写真は上からM13、M27、M4、M22)

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