星空観察会

2016.11.12
星空観察会

天体望遠鏡の架台@国民宿舎小豆島星空案内人

架台こと座ドーナツ星雲M57 おとめ座ソンブレロ銀河M104星空観察会でいつも驚かれるのは、天体望遠鏡が自動的に天体に向かって動いていくことです。現在では一般的な機能で、初心者向けの安い望遠鏡でも採用されていますが、よく聞かれますので、今回はその仕組みについて取り上げます。

セッティングの手順としては、まず三脚架台を水平にし、ホームポジションといって、天の北極に赤経軸(斜めになっている部分)と望遠鏡を平行に向けます。写真を撮る場合は厳密に合わせる必要がありますので、写真の赤い部分に取り付けてあるカメラとPCを使って正確に合わせますが、星空観察会だけなら視野内に入る程度の精度でいいので、床に貼ってある書類用の補強パッチに合わせてポンと置くだけです。

次にコントローラの電源を入れて、あらかじめ入力してある緯度経度を確認してから年月日と時間を入力します。続いてアライメントといって、この星がここにあるということを望遠鏡に教える作業をします。3つの明るい星で合わせますが、今の季節だとこと座のベガ、はくちょう座のデネブ、ぎょしゃ座のカペラあたりです。

あとはコントローラで月とか土星とかを指定してやれば望遠鏡が自動的にその方向に向きますので、低倍率で導入して真ん中へ持っていくだけです。その後は自動的に日周運動に合わせて追尾しますので、いつまでも視野から逃げていきません。また、コントローラのデータベースには約4万もの天体が入っていますので、彗星などを除いてまず導入できない天体はありません。まあ9割以上は望遠鏡でも見えない天体たちですが(笑)。

案内人が小学生の頃、6センチの屈折望遠鏡で,こと座のドーナツ星雲やおとめ座のソンブレロ銀河を必死に探した記憶があります。当時の星雲・星団のガイド本によるとすばらしい姿が見えるはずで、期待に胸躍らせたものでしたが、結局みつけられませんでした。自動導入で好きなだけ見ることができるようになった今見ると、両方とも本当に微かで、どこのゴビ砂漠で見たんだと著者に百回くらい問いただしたくなります(笑)。

それはともかく、昔はこんな機能はそれこそ天文台の望遠鏡くらいしかなかったので、いい時代になったものだとは思いますが、ファインダーでも見えない対象を一生懸命探した経験は、どこにどんな天体があるかや、天体の名前を覚える上で今も役に立っています。自動導入と自動追尾により、星空観察会に参加いただいたお客さんは、多くの対象を待たずにゆっくりとご覧いただけますので、ぜひいっぱい見て帰ってください。

なお、国民宿舎小豆島の星空観察会は、興味のある方ならどなたでも参加いただけます。開催時間は直前になりますが国民宿舎小豆島のツイッターやフェイスブックでお知らせしていますので、確認の上、国民宿舎小豆島本館屋上まで直接お越しください。

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