- 2016.9.17
- 星空観察会
星空観察会おススメの理由立地編@国民宿舎小豆島星空案内人
星空観察会では、まず何といっても晴れなければ話がはじまりません。
小豆島は、年間降水量1100ミリ未満と雨が少なく、晴天率は約40%と国内トップクラスで、しかも昼よりも夜の方が晴れやすい傾向があります。特に星空観察のトップシーズンである夏の晴天率が高く、夏に星空観察会をしていると遠くで積乱雲がピカピカ光っていることもよくありますが、頭上は満天の星空の場合が多いなど、星空観察に絶好の立地です。
星空は天の川が肉眼で余裕で見える程度には暗く、普段はそこそこですが、時として真っ暗ですばらしくよく星が見える日があります。これまでで最高の星空は、5年前の2011年12月10日の皆既月食の時でした。赤銅色の神秘的な皆既月食中に見た星雲・星団はすばらしく、特にぎょしゃ座M37散開星団(写真)が強く印象に残っています。また、惑星や月などの高倍率での観察で大切なシーイング(大気の揺らぎ)も平均1.5秒程度と、沖縄を除くと日本国内ではトップクラスで、夏は土星がクッキリとよく見えます。
長らく日本一大きかった188cm反射望遠鏡のある天文台が隣の岡山県にありますが、選定当時の候補地は木曽と岡山だったそうです。木曽は空が暗いこと、岡山は晴天率が高いのと海に近いのでシーイングがいいことがそれぞれメリットとして挙げられましたが、結局岡山に決まりました。天文台のオープンは半世紀以上も前の1960年で、案内人もウン十年前の学生の時に訪れたことがあります。今はかなり光害があるということですが、小豆島は当時と同じく星を見るのに適した場所です。
あと大切なのが月齢です。満月前後の月があると天の川は見えませんし、星雲・星団の見え方も壊滅的になります。最近読んだ天文雑誌に、「最高の星空を謳った南半球のツアーに参加したところ、好天に恵まれたにもかかわらず全くの期待はずれだった」という話が載っていました。なぜかというと月が明るすぎたからです。これは旅行会社の不注意だと思いますが、案外忘れられがちなので満天の星空を見たい方は月齢チェックもお忘れなく。
ちなみに今の時期はまだ土星があるので満月前後も星空観察会を開催していますが、土星のシーズンが終われば満月前後は晴れていてもお休みする場合があります。上弦の月を過ぎるとスマホで月の写真を撮るのと二重星を見るくらいしかできませんので、あしからずご了承ください。月の写真も、影のあるところのクレーターがよく見えるワケで、満月前後だとクレーターも写りません。
空くじなしとは言いませんが(笑)、当選確率の高い国民宿舎小豆島の星空観察会へぜひお越しください。