星空観察会

2016.9.2
星空観察会

秋の星空の楽しみ@国民宿舎小豆島星空案内人

アンドロメダ大銀河M31

9月になりました。夏休みも終わって、星空観察会でもにぎやかな子どもたちの姿が見られなくなりました。 少しさびしい気もしますが、秋は空がよく澄んで気候も良く、じっくり小豆島の星空を楽しんでいただくには絶好の季節でもあります。

まず土星を見るのに大行列に並ばなくてもよくなります。土星はとっくに見ごろを過ぎていますので、本来ならもう見られないはずなのですが、土星が西に傾くにしたがって、いわゆる「秋の日はつるべ落とし」で暗くなるのがどんどん早まっていくため、早い時間に見ることによって結果的に9月末くらいまで見ることができます。あまり早くすると食事の時間と重なっペルセウス座二重星団てしまうため、早めの時間に土星タイムを設けて土星だけ見ていただき、その後改めて星空観察会を行うことも考えています。国民宿舎小豆島の星空観察会では、土星を見ていただくため最後の最後まであがきます(笑)。

さて、秋は1等星がみなみのうお座のフォーマルハウトしかなく、肉眼では四季の中でも最も地味な星空で、街中ではフォーマルハウトとカシオペア座のWの形くらいしか見えないかもしれません。 しかし、南に瀬戸内海を望む国民宿舎小豆島本館の屋上では5等星くらいまで見られるため、ギリシャ神話のエチオピア王家にまつわる一大物語に登場するケフェウスすばる・プレアデス星団M45座からカシオペア座、アンドロメダ座、ペルセウス座、ペガスス座やくじら座まですべてご覧いただけます。どんな物語なのかはぜひ、実際の星座を見ながらお確かめください。ちなみにこの中ではお父さんのケフェウス座が一番目立たずぱっとしません(笑)。

さらに秋の星空にはアンドロメダ大銀河をはじめ、ペルセウス座二重星団、すばる・プレアデス星団など、見ごたえのある大型の星雲・星団が数多く隠れています。 これら大型の星雲・星団を見ていただくには、メインに使っている天体望遠鏡では倍率が高すぎて視野からはみ出してしまうため、風のない日にはメイン望遠鏡に加えて10センチの対空双眼鏡で見ていただくことも考えています。 対空双眼鏡で見る大型の星雲・星団は本当にすばらしく、特に二重星団やすばる・プレアデス星団は、まるで宇宙に引き込まれるような感覚にとらわれることさえあります。単眼の天体望遠鏡では絶対に体験できない世界がありますので、ぜひ一度ご覧いただきたいと思います。

また、参加者が少ないということは、待ち時間が少なく、多くの対象が見られるということでもあります。 全国各地の公開天文台で観望会が行われていますが、多くは1つか2つしか見られません。しかも点にしか見えない1等星やスーパームーンなど、大口径の意味がないような対象を見せているところもあって、中の人はもしかして星に興味がないのでは?と思うほどです(笑)。

国民宿舎小豆島の星空観察会では、フットワークを生かしてその時々に見られる多くの対象をご覧いただいています。カシオペア座やペルセウス座にかけての秋の天の川の中に埋もれた数々の散開星団、オレンジと青の美しい二重星であるアンドロメダ座のアルマクなどは見るだけで楽しく、微かな光のシミにしか見えない銀河も、その銀河の本当の姿や大きさ・距離などの予備知識があれば興味はつきません。秋の夜長はぜひ国民宿舎小豆島の星空観察会でお楽しみください。

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