星空観察会

2018.5.3
星空観察会

宇宙は何でできているのか@国民宿舎小豆島星空案内人

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好評の天文書シリーズですが(笑)、これまで取り上げた本は1950年代から70年代の発行で、さすがに古すぎたかもしれませんので、今回は新しい本を取り上げました。村山斉著「宇宙は何でできているのか」~素粒子物理学で解く宇宙の謎~(幻冬舎新書)です。帯を見ると33万部突破とあり、よく売れているようですので、どこの本屋さんでも手に入れることができると思います。

著者はバリバリの現役素粒子物理学者で、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構の初代機構長ですが、この本は一般向けの講座をまどめたもので、日本のテレビで唯一?のレギュラー天文番組であるNHKBSのコズミックフロントで「村山斉の宇宙をめぐる大冒険」にも出演されている方なので、大変わかりやすく、現時点の宇宙の姿を教えてくれる本だと思います。

日本では、宇宙関係のテレビ番組はコズミックフロントを除きほとんどありませんが、アメリカでは宇宙を取り上げた番組は定番で、ヒストリーチャンネルやナショジオチャンネル、ディスカバリーチャンネルなどで盛んに放映されています。ヒストリーチャンネルの「ザ・ユニバース~宇宙の歴史~」やディスカバリーチャンネルの「モーガン・フリーマンが語る宇宙」、ナショジオチャンネルの「ブライアン・グリーンの時空超越の旅」などが代表的な番組ですが、いずれも案内人の大好きな番組ですので、スカバー!が視聴可能な方はぜひご覧ください。

それぞれ切り口が違って大変おもしろいのですが、一つ不満なのは、テレビ番組では前提となる基礎から教えてくれるわけではないので、それぞれが頭の中でつながらない事でした。そこでこの本の出番になりますが、この本では素粒子の種類から自然界の4つの力、不思議な不思議なミクロの世界である量子力学のことなど、超基本的な事柄がもれなく網羅されていますので、この本を読んでから番組を見ると、この世界や宇宙の見方が変わること請け合いです。しかも一度読んだだけではとても覚えられないので、何度でも読めてとってもお得です(笑)。

太陽はなぜ燃えているのかや宇宙はどのくらい大きいのか、宇宙の何がわからないのか、ヒッグス粒子はなぜ神の粒子といわれるのかなど、誰でもどれか一つは疑問に思ったことがあると思いますが、この本はその疑問に答えてくれます。宇宙を基礎から学びたい、もっと知りたいという方には最適な一冊だと思いますので、興味のある方はぜひご一読ください。というか多分一度では理解できないのでご十読ください(笑)。

なお、国民宿舎小豆島の星空観察会は、興味のある方ならどなたでも参加いただけます。特に無風快晴の時は高確率で開催していますので、電話で確認(TEL 0879-75-1115)の上、国民宿舎小豆島本館屋上まで直接お越しください。

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