星空観察会

2016.9.27
星空観察会

海王星と冥王星とその先へ@国民宿舎小豆島星空案内人

IMG_0859

9月も終わりに近づき、これまで散々あがいてきた(笑)土星も、いよいよ西空低くなってきました。代わりというにはあまりにも地味ですが、これから太陽系最遠の惑星・海王星と天王星が観望シーズン入りとなります。いずれも肉眼では見えないほど暗く、模様も見えませんが、ともに青緑色ににぶく輝く姿が非常に神秘的ですので、ぜひ一度見ていただきたいと思います。

太陽系の惑星は、以前は水金地火木土天海冥と教えられてきましたが、2006年に惑星の定義が変わり、冥王星が準惑星というカテゴリーになりましたので、今は水金地火木土天海で止めなければなりません(笑)。ただしつい最近、カルフォルニア工科大の研究者が地球の2~4倍の直径を持つ新惑星「プラネットナイン」の存在を理論的に発表したことから、これからまた変わる可能性もあります。新惑星が発見されたらぜひ語呂のいい日本語の名前をつけてほしいものです(笑)。

さて、冥王星を発見したのはアメリカ人のトンボーですが、そのせいか冥王星はアメリカ人に愛され、準惑星になった時にはデモまで起きたそうです(笑)。案内人も小学生の時にトンボーの冥王星発見物語を読んだクチですので複雑な気持ちですが、海王星の外には他にもエリスやらセドナやらマケマケやら多くの天体が発見されており、仕方がないのかもしれません。

今のところ太陽系最遠の惑星である海王星は、計算によって発見された初めての惑星でもあります。天王星の動きに万有引力の法則による予測とわずかな違いがあり、1846年にフランスの天文学者ルヴィリエが計算して、ドイツの天文学者ガレにここを探してほしいと手紙を送りました。手紙を受け取ったガレが望遠鏡を向けたところ、その夜のうちに発見できたということです。ニュートンの万有引力の法則がいかに正確だったかということですが、その万有引力の法則も、アインシュタインの一般相対性理論によって覆されてしまいました。一般相対性理論はあらゆる実験によって正しいとされていますが、重力には未だ多くの謎が残されており、将来はまた新たな理論に置き換わるかもしれません。本当に宇宙は奥が深いです。

ところで土星のシーズン終了に伴い、メイン望遠鏡を5年ぶりにメンテナンスに出しますので、これからしばらくはサブ望遠鏡である10センチの屈折望遠鏡(写真)で星空をご覧いただこうと思っています。サブ望遠鏡といっても三枚玉アポクロマートという高度な光学系を備え低倍率も出しやすいため、ペルセウス座二重星団やすばる・プレアデス星団などの大型の星雲・星団の観察はかえって見栄えがします。ご期待ください。

なお、国民宿舎小豆島の星空観察会は興味のある方ならどなたでも参加いただけます。開催時間は直前になりますが国民宿舎小豆島のツイッターやフェイスブックでお知らせしていますので、確認の上国民宿舎小豆島本館屋上まで直接お越しください。

星空観察会

一覧へ戻る