星空観察会

2018.11.22
星空観察会

二重星の楽しみ@国民宿舎小豆島星空案内人

IMG_0032星空観察に一番向いてない日は、一年中いつでも満月前後です。なぜかというと、満月は太陽光が正面から当たるためクレーターも見えず、星雲・星団も月が明る過ぎて壊滅的な見え方になってしまうなど、見るものがほとんどないからです。そして惑星を除くと唯一、月明かりに関係なく見られるのが二重星です。

恒星の多くは二重星かそれ以上の連星です。冬のダイアモンドを彩る一等星でいうと、シリウスをはじめプロキオン、リゲル、カストル、カペラ、アルデバランが重星です。このうち星空観察会で対象となるのはほぼ等光の二重星カストルと白い小さな伴星を持つリゲルです。

シリウスは周期50年の細長い軌道を持つ白色矮星を伴った連星ですが、何しろ主星が極めて明るいため、なかなか見ることができません。近年は角距離10秒ほどと、かなり条件が良くなっており、良質な10cm以上の屈折ならシーイングが良い時は見られるとのことなので、今年こそはチャレンジしてみようと思っています。

今見られる二重星では、やや西空低くなってきましたが、はくちょう座アルビレオとこと座ダブルダブルスターがお勧めです。アルビレオは宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」に出てくるアルビレオ観測所の上で回っている黄玉と青玉のことです。黄玉はトパーズ、青玉はサファイヤという意味で、宝石に例えられるほど色の対比が美しい二重星です。

また、こと座ダブルダブルスターは、肉眼で一つ、双眼鏡では二つに見える星が100倍以上の望遠鏡で見ますと、それぞれが二つずつに分かれるおもしろい四重星です。しかも90度違う方向にくっついて見えますので、ぜひ自分の眼で試してください。秋の空では、アンドロメダ座ガンマ星アルマクも見逃せない二重星です。アルビレオの二つの星の距離をぐっと縮めたようなオレンジと青のコントラストがキレイな二重星で、ぜひ見ていただきたいと思います。

なお、国民宿舎小豆島の星空観察会は、興味のある方なら事前の申し込みなしでいつでもどなたでも参加いただけます。特に無風快晴の時は高確率で開催していますので、電話(TEL 0879-75-1115)で開催の可否や開始時間を確認の上、国民宿舎小豆島本館屋上まで直接お越しください。

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