星空観察会

2017.7.17
星空観察会

ブラックホールの話@国民宿舎小豆島星空案内人

りょうけん座子持ち銀河M51

ブラックホール研究の始まりは、例によってアインシュタインの一般相対性理論です。この手の話にはたいていアインシュタインが絡んできます(笑)。

一般相対性理論は、数千もの項を含むこともある十個の複雑な方程式ですが、この中のいわゆるアインシュタイン方程式から、ドイツ人のシュバルツシルトが重力の特異点を見だしたことからブラックホールの研究が始まりました。

ブラックホールは、大質量の恒星が燃料を使い果たして超新星爆発を起こした後の重力崩壊によってできると考えられています。その重力はすさまじく、秒速30万キロの光さえ逃げ出せないほどです。また、ほとんどの銀河の中心部には、太陽の100万倍から10億倍の質量を持つ超大質量ブラックホールがあるといわれています。

写真はりょうけん座の子持ち銀河M51ですが、小さい方の銀河が大きい方の銀河より質量が2倍くらい大きく、最近、小さい方の銀河にある超大質量ブラックホールが消化不良を起こし、物質を周囲にまき散らしているという研究発表がありました。また、わが天の川銀河にも、いて座Aという太陽の460万倍の質量を持つ超大質量ブラックホールがあります。なぜ目に見えないブラックホールがそこにあるのがわかるのかというと、周りの星がとんでもない速さで動いているからで、一番速く動く星は秒速5000キロもの猛スピードで動いていました。

ちなみに、岐阜県にある世界最大のニュートリノ研究施設スーパーカミオカンデの主な目的の一つが、超新星爆発が起きた後、どの時点でブラックホールができるかということです。ベテルギウスが超新星爆発寸前といわれていますが、超新星爆発が起こると、まず大量のニュートリノがスーパーカミオカンデで検出され、その後、どこかの時点でニュートリノがスッと検出されなくなる可能性がありますが、これはブラックホールができてニュートリノが脱出できなくなったからと考えられ、物理学者は今か今かとその時を待っています。

また、ヒッグス粒子の発見などで知られる欧州原子核研究機構のLHCという巨大粒子加速器では、理論上は超小型のブラックホールができるといわれ、「ブラックホールができると地球が飲み込まれてしまう」と反対デモが起こったとか起きなかったとか。ホーキング博士によると、超小型ブラックホールはすぐ蒸発してしまうということですが、確かに心配になりますよね(笑)。結局ブラックホールはできなかったようですが。

ホーキング博士といえば、1990年代にスタンフォード大学のサスキンド教授との間で、「ブラックホールの情報問題」という物理学界を揺るがせた大論争がありました。物理学では情報の保存は大原則で、例え核爆発で物質が粉々になっても、全てかき集めると復元でき、情報は保存されるとされています。もちろん人間技では不可能ですが(笑)。結局ホーキング博士が誤りを認め、ブラックホールに飲み込まれても情報は保存されるということになりましたが、ホーキング博士は意外と論争と賭け事が好きで、これまでにも賭け事で負けて男性雑誌やTシャツを相手に贈っています(笑)。

なお、国民宿舎小豆島の星空観察会は、興味のある方ならどなたでも参加いただけます。開催時間は直前になりますが国民宿舎小豆島のツイッターやフェイスブックでお知らせしていますので、確認の上、国民宿舎小豆島本館屋上まで直接お越しください。

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