星空観察会

2017.2.5
星空観察会

宇宙の終わり@国民宿舎小豆島星空案内人

かみのけ座ひまわり銀河M63 とにかく寒くて風も強く、なかなか星空観察会を開けない日が続いていますので、星空観察会からちょっと離れて宇宙の話を続けます。今回は宇宙の終わりについてですが、宇宙の終わりもさることながら、まずは地球と銀河系の運命がどうなるかです。

太陽はこれから水素を使い果たしてどんどん大きくなり、数億年後には地球が灼熱地獄となって、全生物が死滅するのではないかといわれています。同時に太陽の質量が小さくなるため、重力も弱くなって地球が太陽から遠ざかるという説もありますが、時期はともかく何億年か後には地球が滅亡することは間違いないでしょう。

おおぐま座銀河M82アンドロメダ座銀河NGC891

それじゃこれ以上考えても意味がないという声もありますが(笑)、それまでには涼しい火星に引っ越しできるかもしれませんので続けますと、45億年後くらいには太陽が燃え尽きてしまいます。さらに同じ頃には、銀河系がお隣のアンドロメダ大銀河と衝突して巨大楕円銀河になると考えられています。恒星同士はすごく距離が離れていますので直接ぶつかることはありませんが、重力の作用でもしかしたら太陽系ごと宇宙空間に放り出されてしまうかもしれません。少なくとも45億年以内には何か対策を考えなければいけないようです(笑)。

宇宙の終わりについては、ビッグクランチとビッグチル、ビッグリップという3つのシナリオが考えられています。ビッグクランチは宇宙が一点に集まってグチャっとつぶれてしまって終わるという考え方です。宇宙が膨張する力はビッグバンの時の力だけなので、ボールを上に放り投げるとまた下に落ちてくるように、重力によって膨張から収縮に転じているはずだと以前は考えられてきました。しかし近年、謎の力であるダークエネルギーによって現在も加速膨張が続いていることが超新星の観測でわかりましたので、現在ではビッグクランチの可能性は低いと考えられています。

次にビッグチルです。ビッグフリーズとも呼ばれますが、これは宇宙の加速膨張がさらに続いて、互いの銀河がどんどん離れていった結果、夜空には他の銀河が見えうお座銀河M74なくなり、それぞれの銀河は絶対的な孤独の中で恒星も燃え尽き、冷たい死を迎えるという考え方で、有名なホーキング博士などはこの説を支持しています。ビッグリップは最近の考え方で、宇宙の加速膨張のスピードが速くなりすぎて、銀河はおろか原子さえも引きちぎられて宇宙が終わってしまうというものです。

突拍子もないところでは、この宇宙は超高度文明によるシミュレーションゲームであり、もしバグがあれば突然終わるかもしれないという考え方もあります。ホログラフィック原理といって、この宇宙はホログラフィーのように2次元に記録されたデータの投影であって実在ではないという理論もあり、ごく最近、その証拠が得られたとする研究結果の発表もありました。実感としてはとても信じられませんが、とにかく宇宙にはまだまだわからないことが多すぎて、だからこそおもしろいということもできます。

なお、国民宿舎小豆島の星空観察会は、興味のある方ならどなたでも参加いただけます。開催時間は直前になりますが国民宿舎小豆島のツイッターやフェイスブックでお知らせしていますので、確認の上、国民宿舎小豆島本館屋上まで直接お越しください。

(写真は上からM63、M82、NGC891、M74)

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