スタッフブログ

2020.3.22
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地元食材への思いと素敵なご夫婦との出会い

笠松さん畑

みなさん、はじめまして。調理人の岡本です。

国民宿舎小豆島では季節ごとに料理の献立を変更し、小豆島を訪れるお客様に美味しいお料理を提供できるようにいつも献立づくりにはしっかり時間をかけています。数年前までは島の商店から食材を購入していましたが、その食材は必ずしも小豆島で作られるものだけではありませんでした。商店から届く他県の表示が書かれている箱の野菜を見ていると、せっかく小豆島に来て頂くお客様に、なんとかして島の野菜を提供できないかと思うことがよくありました。私はこの小豆島に生まれ育ちました。家にはよく近所の方が大根やみかん、魚など『おすそわけ』を届けてくれます。母は家にあるお菓子や果物を袋に詰め込み『ありがとう、これ持って帰って』とお返しに渡します。私にとっては小さい頃から当たり前に目にしてきた日常の光景です

自然豊かな島の恵を受けて育った肉や魚野菜を小豆島に訪れるお客様に召し上がってもらいたいそんな思いから数年前から小豆島の産直に足を運ぶようになりました。

笠松さん畑笠松さん畑

島の産直は収穫した食材を納品に来る生産者の皆さんや、新鮮な野菜や果物を買いに来る人達でいつも賑わいます。陳列のカゴに並ぶたくさんの野菜や果物は日々変化して、行く度に今日は良い食材があるかな~っとワクワクしながら品物を吟味しています。大型スーパーに比べると不揃いで形や見た目はよいとは言えませんが、そのひとつひとつの食材を手にすると、島の生産者の皆さんが精魂を込めて作っている新鮮で美味しく力強い食材ということが調理人の私には伝わってきます。この野菜や果物を作っている人はどんな人だろう?そんなことを考えながら産直に通う日がつづきました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA笠松さん畑

ある日、いつものように産直で食材を吟味している「あんたどこかのホテルの人なん?」と大きな声で満面の笑顔のおばちゃんが話しかけてくれました。それが笠松さんとの出会いでした。私がよく買う野菜が笠松さんの野菜だったので声をかけてくれ、そこから次第に仲良くなりました。笠松さんはいつも笑顔で、産直でお会いする毎によくおしゃべりを楽しませてもらっています。そんなある日「あんたこの野菜な、傷があって売れんから使って」と大量の野菜を分けてもらうこともありました。宿では傷がある野菜でも傷の部分を取り除いて調理をすればなんの問題もないので、とてもありがたかったです。その他にも「これ作ったから食べて!」といただいたヨモギ餅は、これヨモギ100%でつくったん違うか!?と言うくらい濃い緑色の餅でした(笑)。味は言うまでもなく、おふくろの味でとても美味しかったです。時には「今日はこれを持って来たから買ってな!」といつもの笑顔で強引に買わされることもありますが(笑)

笠松さん畑

先日、長浜にある笠松さんの畑を見せてもらいに行きました。よく手入れされた畑には、ほうれん草、サヤエンドウ、わけぎ、そらまめ、たまねぎなどたくさんの野菜が作られていて、ハウスにはいちごや花々も栽培していました。優しそうなご主人とふたりで愛情を込めて育てていることがわかりました。畑に使う堆肥は、落ち葉を集めてきて鶏糞を混ぜ、発酵させたものをご夫婦で作って使っています。

笠松さん畑笠松さん畑

笠松さんはチャレンジ精神が旺盛な方で他の人が作っていない野菜をあえてつくります。そのひとつが紅芯大根です。サラダや刺身のツマにすると色鮮やかでとても綺麗な野菜です。通常なら秋から冬にかけて収穫するのですが、私からのたっての要望に応えて今年は初の試みとして、3月に種をまいてもらっています。他にもシルクスイートさつまいもに挑戦しているそうです。このシルクスイートは十分に貯蔵することで、絹のようにしっとりと滑らかな舌触りの甘いさつまいもになるそうです。収穫したら一番に声をかけてもらう約束をしています。秋にはご宿泊のお客様に召し上がっていただけるのではと思っています。

笠松さん畑

笠松さんご夫妻との出会いは、私にとって本当に大切な出会いだと感じています。おふたりが丹精込めて育てた野菜や果物をさらに美味しく丁寧に調理してお客様に提供したいと思っています。

笠松さん畑笠松さん畑

春の会席料理の一品に香川の郷土料理『わけぎ和え』をお出ししています。わけぎ和えは「ぬた」とも呼ばれ、香川の家庭では春の旬の味としてよく食べるお料理です。タコや貝と一緒に白味噌、酢、砂糖と一緒に和えます。
笠松さんの畑で育った”わけぎ”と小豆島のタコを甘い酢味噌で和えたお料理です。ぜひお召し上がりください。

わけぎ和え

 

国民宿舎小豆島 料飲課 岡本隆寛

 

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スタッフ紹介 『料飲課 岡本隆寛』

京都の日本料理屋や介護施設で5年間料理を提供。5年前、生まれ育った小豆島に帰省し宿舎の料理人になる。

調理のこだわり・・・素材の味を活かした料理、野菜が持つ旨みや甘みを残した調理法にこだわっている。

献立のごだわり・・・同じは食材はひとつのコースにつかわないようにしている。
          県外からのお客様には小豆島の食材を小豆島のお客様には県外の魚や肉も食べてもらいたい。

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